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認知症をもの忘れ病と思っている世間に、われらはもの申す。

【少し前だが、ある医者が『スマホ認知症』なる言葉を使っていた。かつて ”痴呆” と呼ばれた状態に対して、もっとも良き理解者であって当然の医師にしてこれだ。嘆かわしいことこの上もない。 もろみ五郎】

職員A「五郎氏の言葉には補足が必要だな。要は安易に『認知症』という症状名を使うなと言いたいわけだが」

職員B「そうなんですよねえ。この医者は、スマホばかり見てると記憶力が弱くなるだとか、言ってみれば

スマホ呆け

…みたいな意味で言ったんだと思うんですよね」

職員A「そうなんだよな。でも、それが安易なんだよ。もの忘れのひどい状態=認知症、という認識を、さらに広めることになるからね。認知症介護の現場で働く人や、家で身内のお世話で心身をすり減らしている人には、この医師の言葉のどこがおかしいか、当たり前にわかるだろうがね」

職員B「そうですよねえ。認知症の症状が進んでいくと、最も大変なのは 人格変化 ですよね。まるで別人になってしまったかのような」

職員A「そうなんだよな。昔から慣れ親しんできたわが母が、父が、妻が夫が、或いは兄姉、弟妹がだな、どこの誰だかわからない人になってしまうわけだ。もちろん、ここまで深刻な状態に至らず最期を迎える方々も多いから、悲惨な病気という認識を広めるのも駄目だがね」

職員B「つまりですね、忘れやまいだと簡単に公式化するな、と当サイトは言いたいんですよね」

もろみ五郎「その通りである。しかもその空気を煽っているのが、他ならぬ医師なのだからな。話にならぬわ」

職員A「何ですかね、売名行為か、ちょっとした話題のつもりか、はたまた診療所の新規開業資金がかさんで金が要るのか、理由は定かじゃありませんがね、患者の味方であるはずの医者が先頭に立って使う言葉じゃないのは確かですな」

職員B「まあ、でもですね、世の中ちょっと見渡してみれば、その手の無責任発言なんて、それこそ掃いて捨てるほどありますよねえ。ああ、嫌な時代だなあ」

職員A「そうだよな。今は昔と違って戦争のない、自由でいい時代だ、というのは、戦後復興後から今までずっと言われてきたんじゃないかな。でも、はたしてそうなのか。敵国が攻めてこないだけで、人間同士の陰湿な潰し合いは、延々と続いてきたんじゃないだろうか。私はそんな気がするね」

もろみ五郎「全く同感である。言葉に殺される例は、ネット上では珍しくなくなりつつあると言わねばなるまい」

職員B「そうですよねえ、匿名の誹謗中傷なんて、まさにそうですからね」

職員A「こんなときこそ、医師のような、高度な知識を持った専門職の出番だと思うんだがね、実際には『スマホ認知症』ときたもんだ。医者は聖なる職業だと私は思ってたんだが」

職員B「教師の盗撮が問題になってますけど、かつて聖職と思われていた職業領域が、ことごとく腐臭を放っているのが現状ですねえ」

もろみ五郎「全く同感である。医師の不適切発言と教師の不適切行為を強引に結び付けている、と思うなかれ。職業人としての誇りを失い俗に流れたら最後、行きつく場所は同じなのだ。まあ、当サイトは介護について語る場であるから、ここはひとまず、ごく一部の不心得医師に対して、

君たち、初心に帰り給え。

…とだけ忠告して終わるとしよう」

(了)

1343字

 

 

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